2005 |
03,24 |
午後8時。
少年が池袋駅を降りると、少し生暖かい風がふっと頬をかすめた。
じんわりと汗ばんできそうな気配を感じ、慌ててぐるっと一周させていた編みこみのマフラーをほどき、手にかけた。
春が手の届くところまで来ている。
少年の幼い頃から、池袋といえば畏怖のイメージだった。
テレビドラマの影響や通り魔のニュースのせいもあるのだろうが、それと同時にそこにいる人間の層がイメージしにくいという側面もあったかもしれない。
最初に訪れたとき、それは混沌のイメージに変わり、やがて雑多な中に様々な要素が並存するその街が好きになっていった。
気付けば、そこはもう彼のテリトリー。
荷物もなく、手ぶらで出かけようと思い立つとき。人の波に混じりたくなるとき。
どんなシチュエーションでも、池袋は少年を優しく受け止めてくれた。
世界堂で画材を買い、ぼんやりと夜の街に立ちすくんだ彼は、一つ、二つと息を吐きながら、サンシャインシティの壁に寄りかかり、空を見上げた。
こんな都会の空でも、ミザールとアルコルの2等星がぼんやりと視界に入る。
そうして北斗七星を辿っていくのも、春の空の一つの楽しみだと彼は思う。
・・・幼い頃から一人だった。
不思議と淋しいと感じたことはなかった。
淋しいという感情は、きっとそれを置き忘れることができるくらい、温かいものに満たされた経験がある人間特有のものだからだろうか。
彼にとっては、一人で過ごすことが当たり前のことだったから。
淋しさの向こう側にあるものを自分は見ることがあるのだろうか。
「あるわけないやん・・・」
ふと漏れた一言に苦笑しながら、少年は近くの自動販売機に駆け寄り、ジーンズの尻ポケットを弄った。
ガコンと音を立てて落ちてきた缶を片手に彼は駅前にターンしようとした。
「ちょっとそこのキミ」
少年の背後から、少し甲高い男の声がした。
だんだんと人が少なくなる時間に声をかけられることの怖さを彼はよく知っていた。
こういうときは、常にイニシアチブを取ることが肝心。
後ろを振り向いたときには、彼は既に覚悟を決めていた。
「ボクですか?」
年よりも少し下に聞こえることを想定した作り声で、彼は下目から様子を伺う。
そこに立っていた男は、30代半ばと思われる風貌で、意外にも縁なし眼鏡の奥の目は柔らかいそれだった。
しかし、彼は警戒信号をますます強め、その男が次の言葉を発しようとした瞬間、懐に飛び込み、鳩尾にヒットする瞬間にその拳を加速させた。
バシッ。
本当なら完全にヒットしているはずのそれは、僅かに力を殺がれた。
男が瞬間的にスウェイバックし、力を受け流したのだった。
この男、何者だ?
つりあがる少年の目に再び笑いかけながら、男はさして痛くもなさそうに、ヒットした部分を摩る。
「・・・思った通りだ。迷いがないね」
そして、彼は右手で髪をかきあげながら、こう言った。
「キミ、ダーツをやってみないか?」
少年が池袋駅を降りると、少し生暖かい風がふっと頬をかすめた。
じんわりと汗ばんできそうな気配を感じ、慌ててぐるっと一周させていた編みこみのマフラーをほどき、手にかけた。
春が手の届くところまで来ている。
少年の幼い頃から、池袋といえば畏怖のイメージだった。
テレビドラマの影響や通り魔のニュースのせいもあるのだろうが、それと同時にそこにいる人間の層がイメージしにくいという側面もあったかもしれない。
最初に訪れたとき、それは混沌のイメージに変わり、やがて雑多な中に様々な要素が並存するその街が好きになっていった。
気付けば、そこはもう彼のテリトリー。
荷物もなく、手ぶらで出かけようと思い立つとき。人の波に混じりたくなるとき。
どんなシチュエーションでも、池袋は少年を優しく受け止めてくれた。
世界堂で画材を買い、ぼんやりと夜の街に立ちすくんだ彼は、一つ、二つと息を吐きながら、サンシャインシティの壁に寄りかかり、空を見上げた。
こんな都会の空でも、ミザールとアルコルの2等星がぼんやりと視界に入る。
そうして北斗七星を辿っていくのも、春の空の一つの楽しみだと彼は思う。
・・・幼い頃から一人だった。
不思議と淋しいと感じたことはなかった。
淋しいという感情は、きっとそれを置き忘れることができるくらい、温かいものに満たされた経験がある人間特有のものだからだろうか。
彼にとっては、一人で過ごすことが当たり前のことだったから。
淋しさの向こう側にあるものを自分は見ることがあるのだろうか。
「あるわけないやん・・・」
ふと漏れた一言に苦笑しながら、少年は近くの自動販売機に駆け寄り、ジーンズの尻ポケットを弄った。
ガコンと音を立てて落ちてきた缶を片手に彼は駅前にターンしようとした。
「ちょっとそこのキミ」
少年の背後から、少し甲高い男の声がした。
だんだんと人が少なくなる時間に声をかけられることの怖さを彼はよく知っていた。
こういうときは、常にイニシアチブを取ることが肝心。
後ろを振り向いたときには、彼は既に覚悟を決めていた。
「ボクですか?」
年よりも少し下に聞こえることを想定した作り声で、彼は下目から様子を伺う。
そこに立っていた男は、30代半ばと思われる風貌で、意外にも縁なし眼鏡の奥の目は柔らかいそれだった。
しかし、彼は警戒信号をますます強め、その男が次の言葉を発しようとした瞬間、懐に飛び込み、鳩尾にヒットする瞬間にその拳を加速させた。
バシッ。
本当なら完全にヒットしているはずのそれは、僅かに力を殺がれた。
男が瞬間的にスウェイバックし、力を受け流したのだった。
この男、何者だ?
つりあがる少年の目に再び笑いかけながら、男はさして痛くもなさそうに、ヒットした部分を摩る。
「・・・思った通りだ。迷いがないね」
そして、彼は右手で髪をかきあげながら、こう言った。
「キミ、ダーツをやってみないか?」
そんなわけで、続きを書くのが面倒になったので、ここから本文www
最近3人称で文章書いてなかったから、なんか疲れたんだもん、とか言い訳してみるテスツ。
ダーツ小説とか、地味すぎて流行らないだろうな・・・w
実際のところは、小説と違い、少年&おっさんではなく、オレ&知人の組み合わせで行ってまいりました。
もういくらなんでもこの年で少年というには無理がありすぎてw
この知人が30代の方なんですが、さすがに年の功(失礼w)だけあって、いろいろなことを経験されてるわけでして。
「ダーツバー行ってみない?」といわれ、僕は思わず焦りました^^;
思わず、「ほえ?」と間抜けな声を上げてしまったのはナイショです・・・。
「ダーツもしゅっとこなすカッコイイ男にならんとw」という知人になぜか殺意を覚えつつ(?)、おそるおそるダーツバーの入り口を潜りました。
ところで、ダーツってやったことあります?
ちょっとピンボケ写真で恐縮なんスけど、ダーツといえばこんな感じ。
書かれている点数に加え、外周の狭い青と赤に彩られた狭い部分が、点数が倍に、内周におけるそれは3倍に点数があがります。
たとえば、20と書かれているところの内周の狭い部分にダーツが刺されば20のトリプルとなり、60点に点があがります。
また、真ん中に入れば、一挙50点。
これ自体は視覚的にも分かりやすいんスけど、とにかく色々なゲームがあって、そのルールを覚えるのに灰色の脳細胞が四苦八苦でした^^;
ダーツといえば、日本全国ダーツの旅とか、東京フレンドパークのイメージしかなかったんですが、いざ行ってみるとダーツバーってお洒落なんですよね。
つーか、殆どカップルばっかりだったような・・・一人で投げてる人もいましたけどねw
まあ、男としてもカッコつけやすい場なんだろうな。
かくいう自分はというと、最初はまったく的にあたらずwww
ただ、だんだんとあたるようになってきたところで、知人と勝負してみました!
なんと・・・初戦でいきなり勝ってしまったのです・・・。
結局、点数的にも500点近くが出て、初回としてはかなり上出来と知人からもお褒めの言葉を頂いてしまいました。
それに味をしめた(?)のか、マイダーツまで買ってるバカは誰ですか?( ̄Д ̄;;
あと、吝嗇(りんしょく)な自分としては、1ゲーム100円とか200円で楽しめるのはすごくウレシイ。
ってこの感覚、ゲーセンとかで遊ぶ感覚と一緒かも?
気付いたらお金なくなるっていうのが罠とわかりつつ、つい使っちゃうんだよな^^;
そんなわけで、詳しいダーツ話はまた次の機会に譲りますが(なにげにいろんなゲームがあるんです)、素人の割にうまいと言われたのに味をしめたのか、ちょっと填まりそうな予感。
ただ・・・あれって、足を前後に半固定して投げるんですが、普段使わない筋肉を使ったのか、翌日なぜか筋肉痛に・・・www
ダーツして筋肉痛なんて聞いたことねーよ、とか思いつつも、まあそんな自分がカワイイ今日この頃です(←バカ?)。
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(((( ;゚д゚)))シビレル
ダーツに(((( ;゚Д゚)))マヒ毒でもしこんであったんじゃ・・・ と的外れなレスをして見る(゚Д゚)テスツ
='ω')ノちわぁ なんかダーツって脳を刺激したり、筋肉痛になったように普段使わない筋肉を使うから、バランスよく遊べていいらしい・・・。しかも、そこまで場所を取らないし、かっこいいので(゚Д゚)ウマーというのをなんかテレビで見た覚えが・・・。
='ω')ノちわぁ なんかダーツって脳を刺激したり、筋肉痛になったように普段使わない筋肉を使うから、バランスよく遊べていいらしい・・・。しかも、そこまで場所を取らないし、かっこいいので(゚Д゚)ウマーというのをなんかテレビで見た覚えが・・・。
なんだこのコメント・・・ww
>ホンロンコ(?)さん
ちょっとキモいですよwww
というか、苦手なクリケットはちゃんとできるように練習しまくるぜッ。
また今度お相手してくださいませ。
>えるでぃさん
また的外れな突っ込みを入れてきたな、君は・・・www
ダーツは男女にかかわらず楽しめるし、一戦一戦もそれほど長くも短くもないから、マジオススメですよ。
しかし、筋肉痛だけは勘弁してほしいッス。たぶん腿の内側とかってあまり使わない筋肉だからなのかなあ。
もしダーツやることがあれば、感想など聞かせてください^^
ちょっとキモいですよwww
というか、苦手なクリケットはちゃんとできるように練習しまくるぜッ。
また今度お相手してくださいませ。
>えるでぃさん
また的外れな突っ込みを入れてきたな、君は・・・www
ダーツは男女にかかわらず楽しめるし、一戦一戦もそれほど長くも短くもないから、マジオススメですよ。
しかし、筋肉痛だけは勘弁してほしいッス。たぶん腿の内側とかってあまり使わない筋肉だからなのかなあ。
もしダーツやることがあれば、感想など聞かせてください^^
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