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Life in Progress

Bismarck鯖でおバカな日常を繰り返しているタルタルの、音楽と愛と欲望(?)に満ち溢れたFF11&リアル日記。
2024
04,24

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2004
06,19
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以前、ブックオフに行ったとき、どうしても気になっていたゲームを一本買いました。
ICO−イコと名づけられたパッケージ。
コマーシャルでの「僕はこの人の手を離さない。魂ごと離してしまいそうになるから」という言葉がものすごく印象的で、またその音楽がすごく切なかったんです。
霧の漂った幻想的で美しい城の中を、少年が少女の手を引いて逃げるという内容で、ふと公式サイトを覗いたとき、確固たる世界がそこに広がっているような気がして、すごくステキだなと思ったんですよね。

で、いざ買って来たものの、アクションが苦手&他にやること(FF11とかw)があって、ほぼ手つかずのまま投げ出してしまっていて^^;
その世界観自体は、ゲームを少し触っただけでも、ものすごく惹かれるものがありました。
そして、本読みの自分も比較的よく手にとる作家の宮部みゆきが、ICOのノベライズを手がけているということを知り、待ち焦がれること2年。
やっと、それを手にとることができました。
ブックデザインも、まさにICOのそれで、ああやっぱりこのセンスいいなあってしみじみと実感してみたりしてねw

さて、そんなわけで、今日は帰りも遅かったので、家に帰ってからひたすらICOを読みふけってました。
遠い遠いあるところでのお話。
数十年に一回、角が生えた子供が生まれてくるんです。
その子供は遠い北の地にある霧の城へに生贄として運ばれる。

そんな生贄となったイコ。
ところが、ひょんなことから、彼はその囚われの古城で出会った少女ヨルダと一緒にここを脱出することになります。
互いの言葉も通じず、互いが存在している本当の理由も知らないままに。
そして、城を巡るうちにイコとヨルダに見えてくる真実。
それは、そこから脱却しようとする二人にとって、とてつもなく残酷なものだった。

−とまあこんな感じでゲームも小説も進むわけなんですが。
このノベライズ版を読み終わった後でまず感じたのが、構成の妙でした。
ゲームでは、生贄になるということはあらかじめ決められたこととして描かれてるわけですが、彼女のノベライズ版では、その生贄として運ばれる前段階でのシーンや、それと並列して動いていたサイドストーリーをまず持ってくることで、その後イコが捕らえられ、生贄となった後の心理というのがすごく胸に染みました。
村長と継母さまが、互いのエゴと立場での間をせめぎあいながら、贄(ニエ)でありながらも愛してしまったイコへの不器用な愛情の形が最初に展開されることで、その後のイコの運命を思わず手に汗握って読み進むことができたような気がします。

そして、ヨルダ側から見たこの物語が途中から始まるわけですが、これが、想像もできないくらいに、ものすごく重厚な歴史と思索が詰まったお話でした。
一瞬、それまでの雰囲気からがらっと変わって、唖然としてしまうほどに。
ここでちょっと読みにくくなった印象もあったんですが、逆にこれが最後の章でイコ側の視点とうまく絡み合うことで、加速度的に面白くなった。
正直、ここまでキレイにパズルを展開してるとは思ってなくて、雰囲気だけの物語じゃないんだなと改めて実感。
ラストシーンのちょっと淡白で、でも美しい情景は確かにキレイに収束している感があるし、何よりクライマックスシーンの緊張感は、この構成なくしては生まれなかった気がします。
宮部みゆきがこの話を書くことは、イコの物語に新しい色を添えてくれてるなと改めて実感。宮部さん、さすがだなあ。。。

ということで、ラストシーンまでなんだかんだで一気に読み進めてしまいました。
すこーしだけネタバレになるかもですが(汗)、必ずしも勧善懲悪という世界でもないんですよね。。。
たしかに、彼らが立ち向かう相手というのは、そういう力を持っているのかもしれないですけど、その力はたしかに別の形で世界を支えている。
そして、何よりニエを要求してるのが誰かということを考えると、その人間がもってる狡さだけがただただ悲しくて。
それでも、イコは立ち向かい、自分なりの結論づけをした。
これこそが、大人が失っている賢さなのかもしれないスよね。

手放しでオススメしたいところなんですが、、、大傑作という感想でもないんだよなあ^^;
ちょっと欲張りなのかもしれないですけどねw
なんていうのかな、ちょっとボリュームを詰め込みすぎたような気がしないでもないんです。
特にヨルダ側の話が。あまり冗長になっちゃうのもあれだけど、その空白の時間を彼女がどう過ごしたのか、すごく興味があるところなんだけどなあ。

でも、ある種勧善懲悪モノが抱える矛盾というのを曝け出しながらも、なんだかんだでいい着地をしている、本当に気持ちのいいお話でした。
日常疲れてるココロにはちょっぴりいい刺激になったかな(゜ー゜*)
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タレ
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男性
職業:
ホストと言われるけど違います(´・ω・`)
趣味:
音楽だいすっき!
自己紹介:
Bismarck鯖でぼんやりと生きています。
音楽大好き(聞くのも弾くのも作るのも)、それなりに拘るけどがむしゃらは好きじゃない、PTは会話がないとつまんない・・・そんなヤツの日常ですが、よかったら見てやってくださいませっ。

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