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Life in Progress

Bismarck鯖でおバカな日常を繰り返しているタルタルの、音楽と愛と欲望(?)に満ち溢れたFF11&リアル日記。
2024
04,25

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2005
05,16
森博嗣の新作2つをとりあえず読み終わりました。
森さんといえば、実は中学高校の遠い先輩に当たりまして、同窓ということもあって、妙に親近感がある作家さん。
今休養中の森さんなのですが、2つも新作が出て、さらには今月大好きな百年シリーズの文庫が出て。
さらにさらに、漫画版まで出るということで、何気に結構豊作な月の様子です。
 

■どきどきフェノメノン
 
4048.jpg


フェノメノンとは、英語で「現象」をさす言葉。
どきどき現象、というタイトルの本で、かなりPOPな表紙なんですが、中身は結構意外な作風に。
女の子の大学院生の話なんですが、この語り口は、某水無月先生とそっくりだったり・・・。
要は、一人で突っ込みまくりながら話が展開していく感じで、それがクソマジメな語り口なのに下らないことを云っているのが微妙にツボだったりw
とはいえ、どきどき、という名前ほど正直なところどきどきはしませんでした。

今回は、恋愛がミステリー部分になってるような感じなのですが、これが少し消化不良な印象。
コンサートのくだりとか、「キスを期す」瞬間とかは、なにげにドキドキしたし、やっぱりクライマックス部分はドキドキしたけれど。
・・・でも、なんかやっぱり釈然としない。
お酒を飲むと記憶が、という設定はすごく面白かったのに、それが生かされないままどうも終了しちゃったのも気になるし、謎の怪僧の存在もイマイチ生きてないような。
あと、後輩の彼の行動、結局なんだったんだろって感じだったしさ。
それでも、要素要素がすごく面白く、結構気楽に読める本でした。

あと、クライマックス部分は上にも書いたけどなかなかオモシロイ。
特に、彼が脱出した微妙なトリックは、そこだけ妙にミステリーっぽくて面白かったし。
まあ、これの視点を変えたバージョンが見たいなあ、と。

でもまあ、森さんのシリーズ以外ものは、切なさと温かさが漂う百年シリーズものが一番スキかも。
正直、シリーズものよりも待ち焦がれてる一品だったりします。
 

■Θは遊んでくれたよ

4064.jpg


新シリーズ、という触れ込みだったのが、いつの間にやらGシリーズという名前に。
どうやらギリシャ文字シリーズ=Gシリーズになったっぽいスよね。

さてさて、前作の「φは壊れたね」に続くシリーズもの。
正直前作は期待ほど面白く感じられなかった・・・のですが、今回は久々に来たな、という感じ。
何度か背筋がすっと寒くなる瞬間がありました。この人の作品を読んでいるとたまに感じるコレがやめられないんですよw
急に糸がほどけたり、はたまたぎゅっと突然糸がからまったりする瞬間に、すごく色々な感情が内包されていて、その感情を何度も自分でトレースしてみたり。
今回のΘ〜のおかげで、φの方も読み返すことになるような気がします。

今回の作品、シリアルキラーもののような感じの事件を追っていくものなんですが、早速この事件を飛び超えたところに何かありそうな雰囲気になってきました。
そして、微妙に前作の事件にもさらに裏が、というニュアンスがでてきたし。
また、懐かしいあの人たちが出てきており、妙に奥のありそうな雰囲気で、一気に読破してしまいました。
衝撃、という感じは少ないけれど、なんか久々に森さんのミステリーを読めた、という嬉しさがすごくある作品でした^^
なにより、犀川先生や萌絵が、今回きちんと動き回っててくれるのが楽しい。
個人的には、大学院生3人コンビのパートは微妙だなあ・・・。好みの問題ですが^^;
ただ、山吹くん主観のところは、もう少し内面に突っ込んでくれれば面白くなりそうな気はします。

今回の物語には、宗教という素材が微妙に関わってきます。
この犀川先生の思考をトレースするのがいつも楽しみなんですよね^^

「神様が必要となる理由は、基本的には責任転嫁のメカニズムなんだ。誰か他の者のせいにする。そうすることで、自分の立ち位置を保持する、というだけのこと」
これは、宗教関係者が聞いたら真っ赤になって怒りそうな感じですけど、もし無のところから神という抽象的な概念がいつしか具現化されて摩り替わってるのだとすれば、この理論は非常に頷けるところだなと個人的には思います。
ただし、これ別に悪いことじゃなくて、一旦転嫁することで、立ち位置が保持できるという役回りの方にこそ意味があるんでしょうね、きっと。

「神様がいてもいなくても自殺はある。人間として、本質的に選択可能な行為だからね。ただ、神様という記号によって、解釈をしようと試みる、言い訳を作ろうと試みる、あるいは逆に、その解釈と言い訳によって、自殺を思いとどまらせる、という使用法もある。それだけ」
人の意思と神が介在する関係というのは、改めてすごく複雑だなと思います。
言い方は悪いけれど、彼の理論によると、あくまでもその選択に架空の理由付けを可能にする「道具」のような感じなのかなあ。
僕は、現在では、神というのは、一人歩きした道具になっているのではないか、という気もしています。
責任転嫁のプログラムが推移する間に、プログラム的に神が組成されてしまったというか。

しかし、思わず邪推したくなるような文章が満載だったな、今回の話は。
シンプルに見えながらも、色々やらかしていそうなところがたまらんですw
まあ問題は、現在森先生が一切の執筆活動を止めていることで、次作の「τになるまで待って」は来年になりそうかなあ。
ようやく新作のペースに追いついたので、他のファンの方と一緒にやきもきしながら待ちたいと思ってます。
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人を殺してはいけない理由
「あなたが殺されていい時がありますか?あなたが殺されていい条件があれば、それを聞かしてください。あなたがどんなときでも殺されるのがいやなら、少なくともあなたは人殺しをしてはいけない。」


「そう、人を殺す理由なんてものは、いつだって確かなものとして存在する。人を殺してはいけない理由はなくとも人を殺す理由はある。だから大事なことは、そんな理由を持たずにすむよう、こそこそと這いずるように生き抜くことなのだろう。」



なんてのを思い出した。

ってわけで、森博嗣読んでみようかなー。というか、西尾維新貸すので貸してくださいorz
みな: URL 2005.05/20(Fri) 20:40 Edit
やっぱり・・・
西尾維新読んでみたくなるなあ、そういう台詞読むと。
ちなみに、森さんの作品で、このテーマを語る部分があるんで、ちと長いけど引用。
「黒猫の三角」という作品なんですが、面白いッスよv


「友達でとってもよくデキる子がいる。その子には絶対に成績では勝てない。
じゃあ殺しましょう。この発想は素直で自然だと思うな。」
「自然って・・・・。紅子さん、それはちょっと・・・・・。」
「自然だからって、それを私が認めるとは言ってない。でも不自然ではありません。
恋人や家族が殺されたから、その仕返しで相手を殺す、という仇討ちの場合と大差ないね。お金が欲しいから人を殺す。自分の立場が危ういから人を殺す。それとどこが違うかな?
ちょっと面白いから人を殺すのも、何かに思い余って人を殺すのも同じことだよ。ハエを叩く時何を考える?復讐?それとも、不都合の排除?それとも面白いから?
でも、どんな理由にせよ手を振り下ろせば1つの生命は消えるんだ。我々に区別できるとしたら、それは殺すか、殺さないかの違いしかない。」
「そうかなぁ〜?何だかそんな簡単には割り切れないよ。何か悲しくなっちゃう。
だってやむにやまれず犯した殺人っていうのは、情状酌量の余地があると思う。」
「ある。確かに社会の理解を得て、刑が軽くなるような殺人が存在するみたいだね。
けれど、それは逆に見れば、つまり死刑と同じで人が人を裁いてる事になるのだよ。
そういった殺人を認める事は、正義の為なら戦争を許容し、正義の為なら死刑を許容する事へ進む可能性がある。
正義という名前の理由さえあれば人を殺しても良い事になる。
その理由がないものはダメだ、という理屈になる。では、正義って何だい?
理由とは何だい?たとえば・・・・そう、正当防衛は許されているよね?
自分が殺されそうになったら抵抗しても良い事になってる。
ところがそれは、物理的に不可避なだけで精神的な攻撃には適用されない。
精神的にどんなに痛めつけられても、相手を殺してはいけない事になっている。これ、どうしてだと思う?
人によっては、精神的な攻撃の方が耐えられないという人格だってあるんじゃない?その答えは簡単。
つまり、精神的なダメージが測れないから。定量的に観察できないから。
すなわち、身体なら怪我が見えるのに、精神の怪我は見えない。
ただそれだけの理由です。そもそも、人間の作り出したルールなんてまだその程度のレベルなんだ。
テレビの時代劇なんか主人公が悪者を斬り捨てるけど、あれも殺人だよ。あれは正義かな?
大衆は、良い殺人と悪い殺人があるなんていう作り物の価値観を見せられて、それを信じてる。
完全な妄想。完全な洗脳。
とても大きな間違いだと私は思うな。危険な思想だとさえ言って良い。」
「どうして、そんな間違いがまかり通ってるんです?」
「その枠組みが、今までは安全だったからだと思う。
生活に余裕のない時代−絶対的な富、つまり物質とエネルギーの総量が不足して、人々全員には行き渡らなかった時代にはルールが相対的に脆弱になるし、人の存在自体の価値も低い。
とにかく動物的に強引に生きようとする人達や、考えなしで生きてる人達、考える余裕さえない人達が多かった。
だから、これは善、これは悪という時代劇的な単純な価値観で人々をコントロールするのが手っ取り早かったわけ。」
タレ: 2005.05/25(Wed) 16:42 Edit
活字離れ(´Д⊂
全部タレさんの手打ち?!((((;゜Д゜)))
森さんの本は実は読んだことがないんですが、「黒猫の三角」は
前に興味があってかなり原作に忠実な漫画が出てると
聞いて
探してたんですが、なんかいまだにみつかってません(ノ∀`)。
しのごの言わずに原作を読めばいいのか…。(´・ω・`)

てか、紅子さん(主人公かな?)の言うこともなかなかレトリックで洗脳的だなと(ノ∀`)。
ぽー: URL 2005.05/26(Thu) 03:42 Edit
コピペですたい・・・w
黒猫の三角の漫画は、皇なつきさんという方が描いてらっしゃいまして、非常にいい出来でしたよーw
なかなか本屋で見かけないんですけど、アレは原作の空気を本当に投影していて、すごく好きでした。
原作からと拘らなくてもいいと思いますよw
原作は原作で、シリーズ第一作ということもあり、かなり気合入ってますけど。

紅子さん、かなり矛盾をはらんだ面白い人なんですよねw
キャラクターが動き回るという意味では、めぞん一刻のような小説なので、気軽に手にとってみてくださいませ。
タレ: 2005.05/27(Fri) 19:33 Edit

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タレ
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男性
職業:
ホストと言われるけど違います(´・ω・`)
趣味:
音楽だいすっき!
自己紹介:
Bismarck鯖でぼんやりと生きています。
音楽大好き(聞くのも弾くのも作るのも)、それなりに拘るけどがむしゃらは好きじゃない、PTは会話がないとつまんない・・・そんなヤツの日常ですが、よかったら見てやってくださいませっ。

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