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Life in Progress

Bismarck鯖でおバカな日常を繰り返しているタルタルの、音楽と愛と欲望(?)に満ち溢れたFF11&リアル日記。
2024
03,29

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2004
06,12
満月の夜は、宙(そら)を見に行く。

布団をそっと抜け出し、寝ているモグを起こさないように、そっと服の袖に手を通す。
グローブをギュッと締めながら、ドアノブに手をかけると、
「ご主人様。。。黙って行くのはダメクポ」
ドキッとして思わず振り向くと、パッチリと目を見開いたモグが申し訳なさそうな顔で僕を見ていた。

「ちょっと散歩してくるから、寝てていいよ。疲れてるだろ?」
「でも・・・」
「多分朝日が出るまでには帰るよ。オレのことなら心配しないでいいからさ」
そう言いながらモグハウスの扉を開くと、一気に外の冷気が押し寄せてくる。
ちょっと軽装備すぎたかな、と思いながらも後ろ手にドアを押しやった。
「…あったかいスープを用意してるから、早く帰ってくるクポよ…」
ドア越しに聞こえるモグの声は、どこか困ったような、でもそのスープのようにすごく温かい声だったんだ。

冬のロンフォールは、冷気のせいか、真っ白な霧に包まれ、まるで緑と白のグラデーションの中に自分が溶けていくような気がする。
月明かりがかすかに先を照らす中、僕は白い息を吐きながら、少し早足で目的地へと急いだ。
サンドリアの街からバグパイプの音色が、どんどん遠ざかっていく。
やがて霧の森を抜ける頃、ふと道を外れたところに、崩れた煉瓦の山が見えてきた。
僕は煉瓦の側に腰を下ろし、懐からひとつ、崩れかけた煉瓦を取り出す。

ふぅっと手にした煉瓦に白い息を飛ばすと、煉瓦から赤いクリスタルの欠片が微かに舞い、やがて霧の中へと消えていった。
手の煉瓦を山の中へと加え、僕は地面へと寝転がった。
冬の冷気が冷たくも心地よくて、僕はふとまどろみながら、真上に見える緑の月を目に焼き付ける。

もうこうやって宙を、月を見に来るようになって、2年が経つ。
そのたびに、何度だって胸に問い掛けることがあるんだ。

−僕はちゃんと歩めてるかな?君と約束した、月への階段を。

ちょっぴり最近リアルが忙しかったりするんで、お休みが取れたらちょっと旅行にでも行きたいなと夢想してる今日この頃。
あれこれ行きたいなと思う中で、ここに行ってみようかなと一番想いを馳せている場所があるんです。

満月の夜にだけ、穏やかな海の上に、月まで上る光の階段が現れる場所があります。
オーストラリアの西北にあるブルームという小さな街。
本当に何もない小さな田舎町だって話なんスけど、ここで、毎年3月から10月の満月の夜に見ることができる現象がありまして。
夜の干潮時に、水平線ギリギリに月が昇り、その海の波に月の影が漂ってる様から、こう呼ばれます。
Staircase to the Moon -- 月への階段、と。

なんというか、いわゆる名所じゃなくても面白い場所ってあるとたくさんあると思うんですが、せっかくだから自分の美意識を揺らがすくらいの出来事に遭遇したいな、と僕は常々思ってます。
まあ、先立つものも少ないんで、なかなか海外に気軽に出かけるわけにも行かないんスけどw
というか、FFやってて旅行なんて(ry。。。最近これ、冗談になってないしww

結局、日本という国を飛び出せば、どこもそれなりに面白いというか、心拍数が確実にジャンプアップすること確実なんですけど、その中でもやはり自分が惹かれるのは、自分の中の常識を静かに崩してくれる、もしくは自分の心の中で描いていていたものが目の前で本当に展開されてる場面を見るときなのかなあ。
忙しさというのは、変わらぬ日常とイコールであって。。。たまにそこから脱却した自分の姿を見てみたいなあと思って、根っからの出不精ながらも、こうやってまだ見ぬところへ想いを馳せるときって、本当に幸せで。。。まあでも、実際に行ったときのあれこれにはかなわないんですけどねw
ただ、結局行けば疲れるわけで。。。全然休暇にならないのが難点^^;

一番今まで行った中で楽しかったのは、ランカウイっていうマレーシアのリゾート島かなあ。
あそこは、今のところ自分の中での楽園が具現化された場所なのかも。。。それくらい、美しく、また泥臭くない世界が広がってる場所でした。
あー、ここの場所にいるオレってすごい何かから解放されてるかも、って不思議とそんなことを思えたくらいにステキな場所だったんスよね。
そういえば、ランカウイって鷲と大理石って意味があったんだっけかなー。。。大理石とお付き合いできるほどお金もない若造なのでなんともなんだけど^^;
つーわけで、次の一週間休みが取れたら、オーストラリア行ってみるべ、と思いつつ、、、いくらかかるんだろ(汗)。

 
ちなみに、月への階段、上に書いたのとは別に、好きなものがあるんです。
同名のタイトルの曲で、Sing Like Talkingというグループのアルバムの曲なんですが、それにインスパイアされて書いたのが冒頭の一節だったり。
ピアノとオーケストラがアグレッシブに責め合うサウンドもさることながら、その詩がなんともステキなので、よかったら一度レンタルででも聞いてみてくださいませ。
実は、これ、何で唐突に書いたかというと。。。フレとの罰ゲームで小説を書けという話になって、出だしだけ書いたんですけどね^^;
一応続きもあるんで、機会があれば、ここではなく、違う形でご紹介しようかなー、と思ってるんだけど、多分めんどくさがりやなんで、放置になりそうですw
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プロフィール
HN:
タレ
性別:
男性
職業:
ホストと言われるけど違います(´・ω・`)
趣味:
音楽だいすっき!
自己紹介:
Bismarck鯖でぼんやりと生きています。
音楽大好き(聞くのも弾くのも作るのも)、それなりに拘るけどがむしゃらは好きじゃない、PTは会話がないとつまんない・・・そんなヤツの日常ですが、よかったら見てやってくださいませっ。

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